実際に作ってきた僕自身が、その効果を疑って徹底的に調べてみた
これまで、企業の採用改善をお手伝いする中で、採用サイトを制作する機会が何度もありました。公開したあとに、「以前より応募が増えました」「会社のことを理解して応募してくれる人が増えました」「応募してくる人の傾向が変わりました」と喜んでいただけることも、確かにあります。そういう経験が積み重なると、当然「採用サイトには効果がある」と感じるようになりますし、僕自身、採用に困っている企業へ採用サイトを整えることを提案することも少なくありません。
ただ、そのたびに心のどこかに少しだけ疑問が残っていました。本当に、採用サイトのおかげなのだろうか。採用サイトを公開した時期に、求人媒体も変えていたかもしれない。求人原稿も改善していたかもしれない。給与や休日などの条件を見直していたかもしれない。そもそも、会社が採用について真剣に考え始めたこと自体が結果につながっていた可能性もあります。「応募の質が変わった」と言っていただけることもありますが、それも採用サイトが原因だと明確に証明できているわけではありません。
採用サイトを作ったことで応募率が何%上がったのか。どの情報が応募を後押ししたのか。サイトを見た人と見ていない人で入社後の定着率が変わるのか。そこまで分かった上で提案していたわけではありませんでした。制作する側としては、「採用サイトは効果があります」と言ってしまった方が簡単です。でも、それでは自分でも少し気持ちが悪い。本当に効果があるなら、なぜ効果があるのか知りたい。逆に、採用サイトを作る必要がない会社があるなら、それも知っておきたい。そこで今回、国内の求職者調査、厚生労働省の資料、実際の企業事例、採用サイトに関する研究まで含めて、改めて徹底的に調べてみました。
先に結論を書きます。
結論。採用サイトはかなり重要。ただし、「独立した採用サイト」がすべての会社に必要なわけではない
採用を継続的に行っている企業にとって、求職者が仕事内容、条件、働き方、人、会社の考え方を十分に理解できる場所を持つことは、かなり重要だと思います。一方で、すべての企業が何十万円、何百万円とかけて独立した採用サイトを作る必要があるとは思いません。
年間に一人か二人しか採用せず、募集する職種も少ない会社なら、コーポレートサイトの中にしっかりした採用ページを作るだけで十分なこともあります。逆に、年間を通して採用している、複数の職種を募集している、求人媒体だけでは仕事の魅力や会社の文化を伝えきれない、採用後のミスマッチにも悩んでいる。こうした会社では、採用専用のページ群を作る意味はかなり大きい。
重要なのは、「採用サイトを持っているか」ではありません。「この会社が気になった人が、応募するかどうかを判断するための情報を、きちんと用意できているか」です。調べてみると、採用サイトの一番大きな役割も、ここにありそうでした。
採用サイトの役割は、「人を集めること」より「応募するか判断してもらうこと」
採用サイトというと、「作れば応募者が増える」というイメージがあります。でも、実際の求職者の行動を見ると、少し違います。
キャリタスが2025年卒の大学生1,030人へ行った調査では、「企業を探すときに有益だった情報源」で最も多かったのは就職情報サイトの76.3%でした。個別企業のホームページは18.6%です。ところが、「志望企業について深く研究するとき」に有益だった情報源では、個別企業のホームページが63.1%で最も多くなります。
この数字を見て、かなり納得しました。求人媒体や求人検索サービスの大きな役割は、「まだ知らない会社と出会うこと」。採用サイトや企業ホームページの役割は、「気になった会社について詳しく調べること」。つまり、役割が違う。
Indeedや求人媒体、SNS、紹介などで会社を知った人が、「この会社、実際どうなんだろう」と検索する。そのときに仕事内容、条件、社員、職場、会社の考え方などを確認して、自分が応募するかを判断する。だから僕は、採用サイトを単純な集客装置というより、「求人などで生まれた興味を、理解・納得・応募へつなげる場所」と考えた方が正確だと思います。
採用サイトを公開しただけで、突然何千人もの求職者が訪れるわけではありません。でも、求人広告を見た100人のうち20人が会社名を検索し、その20人が採用サイトを見て、「ここなら働けそうだ」と判断する。その結果として応募が生まれる。こう考えると、採用サイト単体のアクセス数だけで効果を測るのも少し違います。求人媒体が入口で、採用サイトが検討する場所。その二つがつながって初めて採用導線になります。
「応募の質が変わった」という実感にも、ある程度理由がありそうだった
僕が実際の制作でよく聞いてきたのが、「応募してくる人が変わった」という話です。ただ、「応募の質」という言葉はかなり曖昧です。学歴が高いとか、経験が豊富という意味だけではないと思います。
採用において本当に重要なのは、「自社について理解した上で応募しているか」「仕事内容や働き方が本人の希望と合っているか」「入社後に、こんなはずじゃなかった、となりにくいか」ではないでしょうか。
厚生労働省も、求職者へ業務内容や職場環境、働き方などの情報を提供することは、入社前後のミスマッチを減らし、定着につなげるとしています。また、自社について知ってもらうことで、自社に合った応募者を増やすうえでも重要だとしています。さらに厚生労働省の手引では、会社全体の抽象的な情報だけでなく、可能であれば実際に所属する予定の部署や、担当する予定のプロジェクト単位まで情報を具体化することが望ましいとされています。求職者が求める情報としても、業務内容だけでなく、身につくスキル、キャリアパス、テレワーク、育児制度、研修制度など幅広い項目が挙げられています。
つまり、採用サイトによって「優秀な人が突然増える」と考えるより、「会社をある程度理解した状態で応募する人を増やせる」と考えた方が近そうです。これなら、僕自身が現場で感じていた「応募者の雰囲気が変わった」という経験ともつながります。
数字で見ると、採用サイトは想像以上に見られている
では実際、求職者はどれくらい採用サイトを見ているのでしょうか。新卒ではかなり高い数字が出ています。
2025年卒の学生調査では、企業の採用ホームページに「かなり目を通した」が67.9%、「目を通した」が28.3%。合計すると96.2%でした。ほぼ全員です。
中途採用でも似ています。2025年のマイナビの調査では、転職活動中の人が企業の採用ホームページを応募・入社の判断で「非常に参考にする」が41.7%、「ある程度参考にする」が47.4%。合わせて89.1%でした。さらに、採用ホームページがない企業については47.5%が「情報不足と感じる」、39.2%が「不安を感じる」と回答しています。
この数字を見る限り、「採用サイトなんて、どうせ誰も見ていない」とはかなり言いづらい。むしろ、応募しようとしている人の多くが、会社側が発信している公式情報を確認していると考えた方が自然です。
採用サイトによって、企業への印象そのものも変わる
さらに調べてみると、サイトは単に情報を確認するためだけの場所でもありませんでした。
海外の研究では、採用サイトを閲覧する前後で、会社への好感度、雇用主としてのイメージ、就職先としての魅力度が変化することが確認されています。特に、サイトが見やすく、ナビゲーションしやすく、視覚的にも魅力的だった場合、企業に対する評価がより好意的に変化しました。別の252人を対象とした実験でも、採用サイトの使いやすさが、その企業を魅力的な就職先だと感じる評価に影響していました。さらに、採用サイトの情報量やデザインは、サイトへの評価だけでなく、その企業に対する態度や魅力度にも関係するという研究結果があります。
もちろん、これらは海外の研究です。日本の中小企業へそのまま数字を当てはめることはできません。それでも、求職者がサイトを見ながら、「この会社はちゃんとしていそう」「採用に力を入れていそう」「働く人を大切にしていそう」と、Webサイトの状態から会社そのものを推測している可能性は十分あります。
実際、日本の学生調査でもかなり分かりやすい数字があります。採用ホームページの情報やデザインが古い場合、26.7%が「とても影響する」、61.1%が「やや影響する」と回答し、合わせて87.8%が関心や志望度が下がると答えています。自由回答では、「採用に力を入れていないように見える」「最近の働き方が分からない」「会社のシステム自体も古そう」といった声まで出ています。
これはかなり興味深い。採用サイトが古いと、「Webサイトが古い」で終わらず、「会社も古いのでは」と連想されることがある。逆に言えば、採用サイトのデザインや情報設計は、企業そのものの印象を伝える一部になっています。
実際に、採用サイトのリニューアル後に応募者が大幅に増えた企業もある
厚生労働省の事例集に、かなり印象的なケースがあります。
つばめタクシー・大和グループでは、人を集められないという課題を抱え、採用ホームページをリニューアルしました。ただし、単純にWebサイトの見た目だけを変えたわけではありません。社員や顧客へのヒアリングを行い、企業理念そのものを再構築。その理念を軸に、研修制度や働き方、会社の考え方なども整理して発信しました。
その結果、ホームページのリニューアル以降、応募者数は30数人から250人超へ増加。約4割がホームページからの直接応募で、全応募者の6〜7割が事前にホームページを見ていたとされています。
かなり大きな変化です。ただ、この記事で「採用サイトを作れば応募が8倍になる」とは書きたくありません。この会社はサイト制作と同時に企業理念を整理し、職場環境の改善などにも取り組んでいます。だから、応募増加のすべてを採用サイトだけの効果と断定することはできません。
むしろ僕が面白いと思ったのは、同社にはもともと手厚い研修制度があったことです。その制度が採用サイトで伝わるようになり、実際に研修内容のページがよく閲覧されるようになった。つまり、「会社に魅力がなかった」のではなく、「魅力はあったけれど、求職者に伝わっていなかった」とも考えられます。
ここに、採用サイトの本質があるような気がします。採用サイトは、企業に存在しない魅力を作り出すものではありません。会社の中にすでにある仕事、制度、人、文化、考え方を整理し、求職者が理解できる状態に変換するものです。
では、どんな内容を載せればいいのか
ここまで調べると、良い採用サイトに必要な情報もかなり見えてきます。僕自身、以前は採用サイトというと、代表メッセージ、社員インタビュー、福利厚生、募集要項などを一通り揃えるイメージを持っていました。
でも、求職者が実際に気にしているものを見ると、もっと基本的なところが重要でした。マイナビの中途採用調査では、求職者が採用ホームページで重視する情報の1位は「給与・手当・賞与」で58.2%、次が「仕事内容の詳細」で47.9%でした。企業側が「求職者から反応が良かった」と回答した情報でも、「仕事内容の詳細」が33.6%で最も多く、「給与・手当・賞与」が33.4%で続いています。
まずは、「何をするのか」「いくらもらえるのか」「どんな働き方なのか」。ここをしっかり伝えること。企業側が伝えたい順番ではなく、求職者が知りたい順番で考える必要があります。
「営業職募集」ではなく、働く姿まで想像できるようにする
たとえば、「営業スタッフ募集」だけでは、実際の仕事はほとんど分かりません。新規営業なのか、既存顧客中心なのか。電話営業はあるのか。一日何件くらい訪問するのか。個人ノルマはあるのか。チームで動くのか、一人で動くのか。どんな顧客を担当するのか。
配送ドライバーなら、何を運ぶのか。一日に何件くらいなのか。荷物はどのくらい重いのか。休憩はどう取るのか。車は会社から借りられるのか。仕事の名前を説明するのではなく、「自分がこの会社に入ったら、どんな一日を過ごすのか」まで想像できること。これはかなり重要だと思います。
給与・休日・残業などの条件は、探させない
給与、賞与、休日、勤務時間、残業、勤務地、福利厚生。ここは格好良く見せる必要はありません。分かりやすい方がいい。
求職者が気にしていることがデータでも明確なのに、サイトの一番奥に小さく載せる意味はあまりないと思います。「当社規定による」「詳細は面接時」ばかりでは、応募する側は判断できません。もちろんすべてを一律に書けない場合もありますが、可能な範囲で目安や実態を出す。情報を出すことで、求職者側も自分に合うかどうか判断できます。
社員インタビューは、会社を褒めてもらう場所にしない
社員インタビューもよくあるコンテンツです。ただ、「優しい先輩が多いです」「アットホームな会社です」「毎日楽しく働いています」だけでは、判断材料としては弱い。
僕なら、なぜこの会社を選んだのか、入る前と入った後で違ったこと、実際に大変だったこと、一日どんな仕事をしているのか、最初の一年で何ができるようになったのか、何年働いて役割や給与がどう変わったのか、なぜ今もこの会社にいるのかまで聞きたい。
社員インタビューの目的は会社を褒めてもらうことではなく、「この会社で働いている一人の実例」を見せることだと思います。求職者が自分と近い人を見つけ、「この人が働けているなら、自分も働けるかもしれない」と想像できる。その方が、ずっと意味があります。
良いところだけでなく、「大変なところ」も伝える
これは今回調べていて、特に重要だと感じた部分です。
厚生労働省は、職場情報を適切に提供することによって、入社前後の印象のギャップをできる限り減らし、離職率低下やエンゲージメント向上につなげることを期待しています。
採用サイトを広告だと考えると、悪いことは書きたくありません。でも、採用の目的が「とにかく応募人数を増やすこと」ではなく、「自社に合う人に入社してもらうこと」なら、考え方は変わります。
繁忙期は忙しい。覚えることが多い。一人で働く時間が長い。成果を求められる。夏は暑い。最初の数か月は大変。そういう部分も、必要なら伝える。
もちろん、ネガティブな情報を投げっぱなしにする必要はありません。「現在ここが大変ですが、このように改善しています」「以前はこうでしたが、現在ここまで変えました」「今後ここを改善する予定です」まで伝えればいい。
応募数は少し減るかもしれません。でも、それを知った上で応募してくれた人の方が、会社との相性は良い可能性があります。僕は、良い採用サイトは「全員に応募したいと思わせるサイト」である必要はないと思います。
入社した後の未来を見せる
そして、仕事内容や条件と同じくらい、これから重要になると思っているのが「未来」です。
入社直後に何をするのか。一年後に何ができるようになるのか。三年後にどんな役割があるのか。どんなスキルが身につくのか。管理職以外の道はあるのか。会社はこれから何を目指しているのか。
前に定着率について調べたときにも、「キャリアが見えること」「仕事の意味が分かること」「会社のビジョンが伝わること」は、ここで働き続ける理由として重要なのではないかと感じました。それは、入社後に初めて説明する必要はありません。採用段階から見せていい。
求職者は「この会社に入れるか」だけではなく、「この会社に入ったら、自分はどうなるのか」も見ています。
どんなデザインが良いのか
ここはデザイン制作をしている僕自身、特に気になっていた部分です。調べた結論は、「格好いい採用サイト」より、「会社を理解しやすい採用サイト」の方が重要。ただし、見た目はどうでもいい、という意味でもありません。
採用サイトの美しさや使いやすさが企業への印象に影響することは、複数の研究でも確認されています。では何のためにデザインするのか。僕は、「会社を必要以上に良く見せるため」ではなく、「その会社を、正しく、分かりやすく、魅力的に理解してもらうため」だと思います。
欲しい情報へ、すぐたどり着ける
まず、これが大前提です。仕事内容を知りたい。給与を確認したい。社員を見たい。会社について知りたい。募集要項を見たい。応募したい。それぞれへ迷わず移動できる。
採用サイトの使いやすさが企業への魅力度に影響するという研究結果を考えても、ナビゲーションは単なる便利機能ではありません。情報をたくさん載せて迷路になるなら、ページ数を減らした方がいい。
「その会社らしさ」を見せる
採用サイトを見ていると、ときどきどの会社も似て見えることがあります。爽やかな社員。青空。オフィスで笑う若手。「挑戦」「成長」「未来」という言葉。
もちろん、それが本当にその会社らしいなら問題ありません。でも、堅実な会社なら無理にスタートアップ風にする必要はありません。職人気質の会社なら、その仕事自体の格好良さを見せればいい。人間関係の近さが強みなら、人を中心に見せればいい。
採用サイトのデザインだけ爽やかで、面接へ行ったら全く違う会社だったら、採用サイト自身がミスマッチを生みます。デザインは企業を別物に変身させるためではなく、「その会社が本来持っている魅力を増幅するため」に使う。ここは制作するときにもかなり意識したいと思いました。
写真も「映える」より、「働く姿が分かる」
写真も同じです。社員が横一列で笑っている写真だけでは、会社の中はあまり分かりません。
実際の職場。仕事をしている姿。制服。使う道具。車両。休憩する場所。上司と部下が話している様子。実際のお客様との接点。こういうものが見えた方が、「ここで働く」というイメージができます。
写真は飾りではなく、職場情報です。必要なら動画も使える。格好いい企業PVを一本置くより、一日の仕事が60秒で分かる動画の方が、ある会社では役に立つかもしれません。
アニメーションも、理解を邪魔しない
Webサイトでは動きを入れることもできます。もちろん印象的な演出には力があります。ただ、採用サイトで重要な情報は、給与や仕事内容、働き方などかなり実用的です。
スクロールするたびに派手なアニメーションが発生し、欲しい情報がなかなか読めないのであれば本末転倒です。動きを使うなら、仕事の流れを分かりやすくする。数字を理解しやすくする。会社の世界観を伝える。情報の切り替わりを分かりやすくする。そんな使い方の方がいい。
採用サイトにおけるデザインは、装飾というより情報設計に近いのだと思います。
コーポレートサイトと採用サイトは分けた方がいいのか
ここも今回かなり調べました。結論として、「独立した採用サイトにした方が採用成果が高い」と断言できるような強いデータは見つけられませんでした。むしろ、会社によって変えるべきだと思います。
2025年卒の学生調査を見ると、採用ホームページに目を通した学生は96.2%でしたが、コーポレートサイトについても93.4%が目を通しています。つまり、求職者は採用サイトだけを見ているわけではありません。
コーポレートサイトでは、「この会社は何をしているのか」「どんな商品・サービスがあるのか」「どんな実績があるのか」「会社として信用できそうか」を見る。採用ページでは、「自分は何をするのか」「誰と働くのか」「いくらもらえるのか」「どんな働き方なのか」「自分はここでどう成長できるのか」を見る。目的が違います。
だから中小企業の場合、僕ならまず、会社のWebサイトの中に /recruit/ のような採用専用エリアを作る方法を考えます。同じドメインの中でも、採用ページだけデザインやナビゲーションを変えて、ほぼ独立した採用サイトのように見せることはできます。これなら会社情報とも行き来しやすいし、管理するWebサイトも増えません。
一方、年間を通して大量採用する企業、採用する職種が非常に多い企業、グループ全体で採用する企業、コーポレートブランドとは別に採用ブランドを育てたい企業などでは、独立した採用サイトを作る意味が出てきます。
つまり、「採用サイトを分けるべきか」から考えるのではなく、「求職者へ伝えなければならない情報量はどのくらいあるのか」から考える。一ページで十分なら一ページでいい。必要な情報が増えた結果、5ページ、10ページになったなら、そこで初めて採用サイトとして独立させればいい。僕はこの順番の方が合理的だと思います。
採用サイトの効果は、応募数だけで測らない方がいい
今回調べながら、もう一つ強く感じたことがあります。採用サイトのKPIを「応募数」だけにすると、そのサイトの本当の役割を見誤る可能性があります。
たとえば、採用サイトを作る前は月100件応募があり、作った後は80件になった。数字だけ見ると失敗です。でも、以前は100人中50人が面接前に辞退し、入社後もすぐ辞めていた。一方、サイト公開後は仕事を理解した80人が応募し、面接辞退が減り、入社後も長く働くようになった。もしそうなら、採用全体としては改善しています。
もちろん、実際にはここまで単純ではありません。だから見るなら、求人の閲覧数、採用サイトへの遷移、応募率、面接辞退率、採用率、内定承諾率、3か月・6か月・1年後の定着率。そして採用者へ、「応募前に採用サイトを見たか」「何が応募の決め手になったか」「入社前に知りたかった情報は何か」を聞く。
ここまで追うと、自社にとって採用サイトが本当に機能しているのか、少しずつ見えてくると思います。僕自身も今後、制作して終わりではなく、ここまで追いかけていきたい。
良い採用サイトとは何か
今回、採用サイトについて調べ始めたきっかけは、「本当に効果があるのだろうか」という疑問でした。
調べてみると、少なくとも、求職者の多くが実際に採用サイトを見ていること、応募・入社の判断材料として使っていること、サイトの情報や使いやすさ、デザインは企業への印象にも影響すること、仕事内容や職場情報をきちんと伝えることはミスマッチを減らすためにも重要であることは、かなりはっきりしていました。
一方で、「採用サイトを作れば応募が何%増える」「独立した採用サイトにすれば必ず採用できる」というほど単純なものではありません。条件が悪ければ、採用サイトだけでは解決できない。仕事そのものに問題があれば、デザインで隠しても意味がない。応募者がそもそも求人を見ていなければ、採用サイトまで到達しない。採用サイトは万能薬ではありません。
それでも、会社に魅力や制度、仕事の面白さがあるのに、それが求職者へ伝わっていないのであれば、採用サイトができることはかなり大きいと思います。
僕なりに「良い採用サイト」を一言で定義するなら、「求職者が、自分がこの会社で働く姿を具体的に想像し、応募するかどうかを自分で判断できるサイト」です。
会社を過剰に良く見せる必要はありません。仕事内容が分かる。給与や休日が分かる。働いている人が分かる。会社の考え方が分かる。大変なことも分かる。入社後の未来も分かる。その上で、「自分には合いそうだ」と思った人が応募する。反対に、「自分には合わなそうだ」と思った人は応募しない。それでいいのだと思います。
採用サイトの目的は、全員に「この会社で働きたい」と思わせることではありません。会社と求職者がお互いを理解した上で、「ここなら合いそうだ」と思える人と出会える確率を上げること。
これまで採用サイトを作って、応募が増えた、応募者が変わった、と言っていただけた理由も、もしかするとここにあったのかもしれません。そして今なら、以前より少し自信を持って言えます。
採用サイトは、採用においてかなり重要です。
ただし、重要なのは「採用サイトを作ること」ではありません。会社のことをきちんと整理し、求職者が知りたいことを、正確に、分かりやすく、その会社らしく伝えること。
採用サイトは、そのための一つの器なのだと思います。
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採用について、もう少し深く考えてみる
採用サイトは、採用活動全体の中の一つの仕組みです。 「実際に何を載せるべきなのか」「採用に困りにくい会社は何が違うのか」「採用した人に長く働いてもらうには何が必要なのか」についても調べています。
RECRUIT SUPPORT
自社には、どんな採用サイトが必要なのか。
採用サイトを独立して作るべきか、コーポレートサイト内で十分なのか。 どんな情報を載せるべきか、求人媒体とどうつなげるべきか。 現在の採用状況や課題を伺いながら、必要な制作範囲から一緒に整理します。
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