デザイナーを探そうとしたとき、最初にぶつかるのは「何を基準に選べばいいのか分からない」という問題だと思います。実績が多い人がいいのか、有名な制作会社が安心なのか、それとも価格なのか。けれど実際に起きがちな失敗は、技術不足よりも「話が噛み合わなかった」「完成後に違和感が残った」といった、もっと手前の部分に原因があることがほとんどです。
この記事では、デザイナーの探し方について、ノウハウではなく失敗しにくい相手を見極めるための考え方を整理します。Webデザイナーに限らず、イラストレーターや映像制作者、アニメーション作家など、クリエイター全般に共通する話として読んでもらえればと思います。
① そもそも、どんなデザイナーを見つけるべきか
結論から言うと、「上手い人」よりも「一緒に考えられる人」を探す方が、失敗は圧倒的に減ります。
多くの人は、作品のクオリティや実績数、作風の好みを基準にデザイナーを探します。それ自体は間違いではありません。ただ、あとから後悔するケースを振り返ると、「デザインが下手だった」という理由は意外と少なく、「意図が伝わらなかった」「方向性が途中でズレた」「完成してみたら自分たちらしくなかった」という違和感が残ることの方が多い。
これは技術の問題ではなく、考え方や前提が共有できていなかったことが原因です。デザイナー探しは、スキル探しであると同時に、人との相性探しでもあります。その前提を持っておくだけで、選び方はかなり変わります。
② デザイナー・制作会社の種類と、見つけ方・メリットデメリット
デザイナーや制作会社にはいくつかのタイプがあり、それぞれ向き不向きがあります。どれが正解という話ではなく、目的によって選ぶべき相手が変わる、という整理が大切です。
フリーランス(個人デザイナー)
SNSやポートフォリオサイト、知人の紹介などで見つけることが多いタイプです。直接やり取りできるため、意思疎通がしやすく、柔軟に対応してもらえることが多いのがメリットです。一方で、得意分野や考え方の幅には個人差があり、設計や整理があまり得意でない人もいます。
長く付き合う専属デザイナーのメリットと付き合い方については、
専属デザイナーはこう使え。デザインを頼む前に、考え方を借りるで解説しています。
小〜中規模の制作会社
検索や実績経由、紹介で見つかることが多く、体制が整っているため安定感があります。分業ができる点も強みです。ただし、実際にやり取りする担当者によって、進め方や相性が大きく変わることがあります。担当替えや担当の退職ということも考慮する必要があります。
大手・有名制作会社
実績や知名度があり、安心感はあります。反面、コストが高くなりやすく、小規模な案件や柔軟な対応は難しい場合もあります。窓口となる担当者と、実際に制作するデザイナーが異なることが多いので、意思疎通の精度がやや不安は残ります。
大切なのは、「どのタイプが正解か」ではなく、自分の目的や規模に合っているかを考えることです。
制作会社への依頼で気を付けるべきポイントがしりたい方は、
制作会社に丸投げして失敗するケースをチェック!
③ いいデザイナーの見極めポイント
失敗しにくい相手かどうかは、最初のやり取りである程度見えてきます。完璧に当てはまる必要はありませんが、次のポイントはひとつの目安になります。
まず、すぐに作り始めようとしないか。いきなりデザイン案や表現の話が出る場合、要注意です。信頼できる人ほど、先に目的や背景を聞こうとします。
次に、質問の質。何を作るかよりも、「何を変えたいのか」「何が課題なのか」を掘ろうとするかどうかで、考え方が分かります。
三つ目は、違和感を言語化してくれるか。「なんとなく変ですね」で終わらず、その理由を説明しようとする姿勢があるかどうか。
そして最後に、自分の色を押しつけないか。作品集よりも、会話の中で主役が誰なのかを意識しているかを見る方が、判断材料になります。
④ まずは小さいことを頼んでみるのがおすすめ
相性は、実績や肩書きだけでは分かりません。実際に一緒に進めてみて初めて見えるものが多いです。
そのため、最初から大きな案件を任せるよりも、名刺やバナー、簡単な修正など、進め方が分かる小さな仕事を頼んでみるのがおすすめです。やり取りのテンポや考え方、ストレスの有無は、この段階でかなり見えてきます。
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⑤ まとめ
デザイナーの探し方に、唯一の正解はありません。ただ、失敗しにくい共通点はあります。それは、技術や実績の前に、考え方や前提を共有できる相手かどうかを見ることです。
上手いかどうかは、後からでも分かります。でも、話が通じるかどうかは、最初のやり取りでほぼ決まります。その感覚を無視しないことが、結果的に一番の近道になるはずです。