巨大な画面に、
クリスマスの世界をつくる。
映像を見るのではなく、 その場所にクリスマスの世界が現れるように。
今回のアニメーションは、 一般的なスマートフォンやPCで見る映像ではなく、 ビルのエントランスに設置された 大型LEDディスプレイで上映する作品です。
そのため制作では、 映像単体の完成度だけでなく、 実際の空間の中でどのように見えるかまで意識しました。
大きな画面を見上げたときに、 キャラクターの動きや物語の変化が 直感的に伝わること。
そして、 通りかかった人が一瞬画面を見ただけでも、 そこにクリスマスの物語が存在していると 感じられること。
そうした体験から逆算しながら、 世界観、構図、キャラクター、 動き、色彩を設計しています。
CHRISTMAS
2D ANIMATION / 75 SEC.
見えている75秒の、
その外側までつくる。
子ども向けの短いアニメーションだからこそ、 世界を単純にはしない。
今回は本編で直接説明されない部分も含めて、 グレータが暮らす家、 白樺の森、 巨大樹、 森の精霊たちなど、 作品世界の背景を設定しました。
どんな植物が生えているのか。 この家はどのような場所に建っているのか。 森にはどんな存在が暮らしているのか。
そうした情報があることで、 背景やキャラクター、小物を それぞれ単独でデザインするのではなく、 同じ世界の一部として設計できます。
画面に映るものだけではなく、 その奥側に存在する設定まで含めて 一つの作品世界をつくっています。
画面には映らない、
グレータの過去。
主人公のグレータには、 本編ではほとんど語られない過去があります。
彼女が生まれた場所。 どのような暮らしをしていたのか。 なぜ故郷を離れ、 現在の森へたどり着いたのか。
こうしたバックストーリーも、 キャラクターを設計するための重要な材料です。
本編の中ですべてを説明する必要はありません。
しかし人物の過去が存在することで、 表情や佇まい、 衣装や家のデザインにも 「なぜそうなっているのか」という理由が生まれます。
75秒の物語の外側にも時間が流れていることを意識し、 キャラクターがその世界で生きてきたように感じられる 土台をつくりました。
設定から、
キャラクターの形を探す。
グレータのデザインは、 最初から完成形が決まっていたわけではありません。
魔法使いらしいシルエット。 年齢を感じさせる顔立ち。 帽子や衣装のボリューム。 杖を持ったときの全体のバランス。
複数のラフを描きながら、 この物語にもっとも合う姿を探しています。
子どもたちが見ても 一目で「魔法使い」と認識できること。
その一方で、 ただ可愛らしいキャラクターにはせず、 長い時間を生きてきた人物としての 不思議さや存在感も残しています。
小物にも、
その人物らしさを宿す。
キャラクターを形づくるのは、 顔や衣装だけではありません。
グレータが持つ杖についても、 複数の形状を検討しました。
整った工業製品のような形ではなく、 木や植物を思わせる有機的な形。
長い時間使われてきたような歪みや、 魔法使い自身が手を加えながら 使い続けているような雰囲気。
わずかな小物であっても、 世界観と人物設定から離れないように デザインしています。
森に暮らす、
小さな精霊たち。
グレータとともに物語をつくるのが、 森で暮らす小さな精霊たちです。
初期段階では、 頭身、 顔の見せ方、 帽子の形、 身体の丸みなど、 複数の方向からデザインを検討しました。
大型LEDディスプレイでは、 小さなディテールよりも シルエットの分かりやすさが重要になります。
そこで、 遠くから見ても存在を認識でき、 動いたときにも形が読み取りやすい シンプルなデザインへ整理しました。
物語の中では、 この精霊たちの存在そのものが クリスマスのイメージへつながっていきます。
動かす前に、
物語の時間を設計する。
アニメーション制作に入る前に、 全編の絵コンテを制作しました。
約75秒という限られた時間の中で、 どこから物語を始め、 どこで変化を起こし、 どの瞬間を印象として残すのか。
キャラクターの位置だけではなく、 カメラワーク、 視線の流れ、 シーンの長さ、 動きの方向、 次のカットへのつながりまで整理しています。
大型画面での上映では、 細かな動きを大量に入れるよりも、 大きなシルエットや 画面全体の変化によって ストーリーが伝わることが重要です。
完成映像では自然に流れていく数秒間も、 絵コンテの段階で 「何を見せる時間なのか」を一つずつ設計しています。
キャラクターが生きている世界をつくる。
線画と、絵画的な背景。
二つの質感を重ねる。
完成映像では、 キャラクターと背景で 少し異なる質感を使っています。
キャラクターには、 輪郭線を残した 2Dアニメーションらしい表現。
一方、 森や雪、岩、空といった背景には、 筆跡を感じる絵画的なタッチを取り入れました。
大型LEDでは、 画面全体を細かな線で構成すると キャラクターが背景に埋もれやすくなります。
そこで、 人物には明確な輪郭を持たせ、 背景には色面や筆致を残すことで、 世界の中に自然に存在しながらも 動きを読み取りやすい画面をつくりました。
大きな動きで、
感情と物語を伝える。
アニメーションでは、 細かな動きを大量に入れることよりも、 一つひとつの動作を明確に見せることを重視しました。
手を開く。 息を吹きかける。 振り返る。 歩く。
台詞や説明がなくても、 身体の動きだけで キャラクターの行動や感情が伝わるようにしています。
また、 常に画面全体を動かし続けるのではなく、 静かな時間と大きく変化する瞬間を組み合わせることで、 約75秒という短い映像の中にも 緩急をつくりました。
映像ではなく、
その場所の体験をつくる。
完成したアニメーションは、 クリスマスシーズンに ビルエントランスの大型LEDディスプレイで上映されました。
PCの中で制作していたキャラクターたちが、 実際の建築空間の中で、 数メートル規模の映像として動き始める。
その瞬間、 映像は単なるデータではなく、 その場所の景色の一部になります。
studio MONDAY BLUEでは、 「何をつくるか」だけではなく、 「どこで、誰が、どのように見るのか」まで含めて クリエイティブを考えています。
アニメーションではなく、
一つの世界を設計する。
studio MONDAY BLUEでは今回、 完成映像の制作だけでなく、 物語の方向性、 キャラクター、 世界観、 設定資料、 絵コンテ、 ビジュアル、 動きの設計まで一貫して制作しました。
キャラクターを描く。 背景を描く。 小物を考える。 動きをつける。
それぞれを別々の作業として考えるのではなく、 最初から最後まで 「同じ世界をつくるための工程」として扱っています。
完成映像だけでは見えない 設定やデザインの検討、 絵コンテまで設計することで、 短いアニメーションの中にも 一貫した作品世界を持たせました。
Christmas Animation
Client:株式会社エンジ
Animation Production:studio MONDAY BLUE
Direction / World Building / Storyboard /
Illustration / 2D Animation:studio MONDAY BLUE
世界観を、
動く体験へ。
studio MONDAY BLUEでは、 企業PR、イベント映像、 オリジナルアニメーションなど、 完成映像の制作だけでなく、 コンセプト、物語、キャラクター、 世界観設計、設定資料、絵コンテから、 一貫したアニメーション制作に対応しています。